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TS-590 Product Review [機器]

QST誌5月号のProduct ReviewはTS-590だ。日本でも、購入した人のインプレションがネット上に出てきているが、「IC-7700の方が上」とか・・・。そりゃ、そうでしょう。同価格帯のFT-950やIC-7410と比べていただきたものだが、価格レンジの違う機種と比べられること自体、期待の大きさを物語っているのであろう。

QST誌のProduct Reviewは米国らしく、それなりに厳しい。総評である"Bottom Line"には「価格相応」と書いて、やんわりとまとめても、本文中には厳しい言葉が並ぶ場合もある。昨年だったか、屋外型ATUの特集があったが、1機種はかなり厳しい評価がくだり、販売店が取り扱いを一時中止、メーカーが調査に乗り出したなんてことが書かれていた。

日本ではダウンコンバージョンとアップコンバージョンの混成方式に、「何で?」との声が多いが、QST誌ではSelectivityのRX1、SensitivityのRX2と書いてある。文中で言及されているSherwoodのホームページを見ると確かにそうだ。両方とも"Good"とのこと。ものはとりようだ。アメリカ人的オプティミズムか。でも、ちょっと持ち上げすぎじゃない?

話はそれる。このSherwoodのホームページでは、2Khz離調時のダイナミックレンジでリグをランキングして表示しているが、じっくり見てわかったが、上位を日本製リグが席巻しているわけではない。また、10位以下になると新しいリグに混じって古いリグが散見される。これらはプリセレクタを設けているリグだ。あとFlex Radio社のSDRトランシーバも上位にランクインされている。このSDRトランシーバは20Khz離調時と2Khz離調時のダイナミックレンジが同じ値となっている。SDRが成せる技か。FLEX-3000は、以前に記事を書いたが、いい選択肢かもしれない。

TS-590のタイトルでありながら、内容がTS-590から離れたが、使い勝手について取説を見ながら、頭に思い浮かべている。「スプリットの設定が面倒」なんて、どこかで書かれていたように覚えている。VFO-A、Bにそれぞれ違う周波数をセットし、SPLITボタンを押すだ。基本的には自分が今、移動で使っているFT-857と同じだから今より不便ということではない。ただ、CWでは、XITで済ませられるだろうから、個人的には便利だ。あと、CWのスピード設定がツマミ一つではすまない。スピードの遅い局に呼ばれた場合、あるいは自分のコールをコピーしてもらえない場合等、キーイングスピードを落としたいときがある。FT-857だと不便きわまりないので、スピードはそのまま。その分、間隔をあけたり、繰り返しを行ったりしてしのいでいるが、まあ、多少楽になる。Frequency Correction for CWなんて機能もあるようようだ。SSBからCWにモード切替した際にピッチ周波数の分だけ受信周波数を補正してくれる機能らしい。SSBモードでCWバンド内をウォッチする際には便利かもしれない。

「オマエ、買ってもいないのに何で取説持っているんだ?」ということになるかもしれないが、Kenwood USAのホームページでダウンロードできる(為念ですが、日本のホームページの英語ページじゃないですよ)。Product Reviewの中でもダウンロードを勧めている。日本のサイトにはない。自分は日本人ではあるが、日本のこういうところが嫌いである。別にケンウッドがということではない。そういうことが多い。日本人だけが知り得ないというところが。これで通用するところが日本の甘ったるいところであるが、もし、買っていない人に取説を公開すると企業が不利益を受けるからというのであれば、日本全体で考えるべき問題だろう。
訂正。日本でもサポートのページにありました。失礼しました。
ちなみにこの取説(英語版)は欧・米共通で、よく読むと付属品や60mバンドも含めた送信周波数の設定が若干違っていることがわかる。オプションには、日本のカタログにないLPFのLF-30Aが出ている。懐かしい。まだ売っているんだ・・・。

ああー。それにしても欲しいな。TS-590。

2011/06/12追記
Kenwood USAのサイトでこんなものを見つけた。日本のサイトにはない。取り消し線で消したことは、やっぱり、あながち間違いではないかな。デイトンで配布されたらしいが、いろいろわけあって、私の手元に一部ある。

http://www.kenwoodusa.com/UserFiles/File/UnitedStates/Communications/AMA/Manuals/TS-590_In-Depth-Manual.pdf

2011/08/27追記
東京のハムフェアでも日本語版の「徹底解説集」が配布されましたね。

2015/01/18追記
FT-991の英語のオペレーティングマニュアルがもう出ている。TS-590のときと同じだが、最近、こういう行動に出る日本企業の気持ちがわかるような気がしてきた。「日本企業なのにけしからん」と言うのは簡単だが、なぜ、こうなのか、日本のエンドユーザは真剣に考えたほうがよいと思う。一概にどっちが悪いというわけではないが、これによって割りを喰っているのは誰だろうか?


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