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VNAを使う(5) 14M帯EFHWA(3) そして・・・ [エンジニアリング]

JIDXコンテストの日、14M帯用EFHWAを設置し、アンテナ給電部における本当のインピーダンスを測定した。
(For non Japanese, please see my website. proceed to Library-EFHWA)

14M_EFHWA_Z.jpg
まず、気になるのがR成分(青線)のS字カーブである。EFHWAの動作とは、このようなものなのだろうか。λ/2という特異点で動作させるアンテナだからか? X=0の周波数を中心に点対称となる軌跡を描くのだろうか? 給電部のみで測定した時と同様、13.8M付近でX成分(赤線)=0となっているのが、何よりだ。周波数マーカーがちょっとズレているがこれは画面上、手で指定して打ち込む。別にVNAが判断しているわけでない。でも、本当にこうなのだろうか?前に作った18M帯用のEFHWAでも同様の測定を行った。

まずは、給電部の回路特性を測定。
18M_EFHWA_matching_cct.jpg
Rが最小となるのは、18.1Mhzあたりだが、X=0となる点が17.7Mhz付近とバンドの外にきている。14M帯用と同じような傾向だ。R最小となる周波数とX=0となる周波数が同じように違うのは、給電部の構造のせいか?

そしてアンテナのインピーダンス。
18M_EFHWA_Z.jpg
やはり同じようにR成分はS字カーブを描く。X=0となるのは給電部のみの場合の共振周波数と同じなのも同様。そして何よりなのはX=0となる17.7Mhz付近でR≒50Ωとなっていることだ。任意長のケーブルとMFJ-259Bを接続してSWRを測定すると、確かに17.7M付近でSWR≒1となる。14M帯用と違って、アンテナエレメントの給電インピーダンスが5KΩぐらいで設計されているのだが、この位がよいようだ。14M帯用では13.8Mhz付近で共振しているが、そこではR分が80Ωぐらいになる。エレメントの給電インピーダンスを7KΩで設計したのだが、そうならなくて、その影響がLC回路の入力側に波及しているものと思われる。

大枚をはたいて買ったVNAの面目躍如といったところだろうか? SWRアナライザだけでは、わからないことがわかってきた。ほぼ1年半かけてやってきたことに自分なりに結論が出た。回路形式は以前、JAIAが発表し、よく自作の対象として作られているアンテナであるが、

①給電部のLとCを運用周波数でωL=1/ωCとなるよう正確に追い込む必要がある。これをしないでアンテナエレメントの長さでSWR調整するのは本末転倒。
②アンテナエレメントの給電インピーダンスは約5KΩが限度。このときのωLは約500Ω。これ以上高くしても、おそらくはストレーキャパシティとの闘いになる。アマチュアの製作技術(or当局の技術?)では困難?

18M帯用のEFHWAの測定を終え、せっかくだから、久しぶりに18M帯で運用しようとVNAからリグに接続を替えたところ、FGが聞こえてくるではないか。苦しかったが、なんとかQSOできた。昨年のCQ WWでは14M帯用でC5、C6とQSOできている。そして今回、18M帯用でFGと、それなりに飛んでいってくれる。これで技術的にも実用面でもほぼ納得が行き、この形での量産(?)に踏み切ることにした。

18M帯用:LCの共振周波数を少し上げる必要があるが、回路定数は現状でOK。高周波特性のよい素材で作り直し。
14M帯用:ハイLにし過ぎた。コイルの巻き数を少し減らして、共振周波数を14.1M付近に正確に持っていく必要あり。
10M帯用:ポールの関係上、フルサイズの70%程度の短縮型を考えているが、新たに作る予定。

21M帯用はサガ電子のZA-21をもっているので、これで10M帯から21M帯までアース非依存、かつ、イージーインスタレーション(機動的移動運用のためには、実はこれが大事)のアンテナがそろうことになる。


201202/08追記
上記、18M帯用のEFHWAでHK0NAとQSOできた。山の上のOP Aではなく、OP B。自画自賛すれば、「マルペロ級の自作アンテナ」だ。

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