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だ、大丈夫?ARRL Diamond DXCC Challenge [DX]

以前の記事で懸念めいたことを書いたが、不明瞭点についてお二人のJA局が貢献されているようだ。JH4RHF田中OMとJA1WWO左藤OM。田中OMはリストにないエンティティの扱いについて個人的判断と断りつつ、補足のリストをネットにアップされている。左藤OMは補助的なワークシートを作成され、これがARRLに採用されて、Webに載っている。何やら、アメリカ人の外交音痴(アメリカに安全保障を丸投げしている日本も大したこと言えないが・・・)の後始末を日本がさせられるという国際社会の縮図のようだが・・・。

左藤OMのワークシートでは、ご自分で作成された現存エンティティリストにQSOデータを打ち込むと、Diamond DXCCのカントリーリストに自動的に転記される仕組みが作られている。でも、ARRLのWebでは、Diamond DXCCのカントリーリストに直接入力する方法が説明されており、ワークシートが活かされていない。正式に採用した以上、ちゃんと整合させて欲しいものだ。あと、カントリーリストにない地域の扱いだが、田中OMのリストでは、例えば(繰り返すが「個人的判断」と断りつつ)JD1はJAにカウントアップとしている。左藤OMのワークシートではARRLのリストに従い、JD1はどこにもカウントアップされない。常識的に考えれば田中OMの考えの通りだが、ARRL作成のリストに従えば、左藤OMのワークシートのロジックも正しい。

主催者であるARRLがきちんと判断を下すべきで、立ち返ると1937年当時のDXCCルールがどうだったかだろう。1937年のQST誌のカントリーリストのコピーがARRLのWebにアップされているが、ここにある文章を読んでもよくわからない。アマチュア無線的には平和な時代(念のため書いておくが、世の中は戦争の足音が迫っており、平和ではない)だからだろうか? とりあえず作った的なことが書いてある。当時、どれだけ議論され、その結果がどれだけ残っているかだが、どうだろうか? ひょっとしたらARRLも結論出せないんじゃないだろうか?

満州の扱いについて中国が文句を言いそうだと前の記事に書いたが、なぜ1937年のカントリーリストに載っているのかわかった。このリストにはIARUのメンバーソサエティの名が並んでおり、JARLの名前はあるが、中国の連盟はない。

さらに背筋が寒くなるようなことを見つけてしまった。3月2日付けのDiamond DXCCに関するアップデートで新しく増えたようだが、地図のカテゴリがある。"Maps showing borders as they existed at the beginning of the DXCC program. "とあって、いくつかの地図が収められている。まっさきに目が行くのは、もちろんDanzig(ダンツィヒ。現ポーランドのグダニスク)だ。この地図には旧ソ連とポーランドの国境線が描かれているが、どうも、これは現在(この場合、ロシアとポーランド)の国境線だ。Diamond DXCCのカントリーリストに返って調べてみると、ダンツィヒ(現在のプリフィックスでいうとSP2)が独立カントリーとなっている。ついでに書くと現在のUA2が、当時のドイツに属しており、ドイツにカウントアップだ。まあ、歴史的事実に照らせばそうだが、前の記事で書いたとおり、当事者がどう感じるかだ? 地図に戻り、左下の脚注を拡大してみると、50年代に米陸軍が作成したとある。おいおい、大丈夫か。私の勝手な推測だが、Diamond DXCCのカントリーリストにおけるSP2の扱いにポーランドの連盟が噛み付き(ちなみにリストの別の箇所ではプリフィックスSP全体がポーランドとなっている。SP2はダブルカウントと書いてない。こういうところが甘い!)、ARRLが釈明のため、1937年当時の地図を載せたつもりだが、これが戦後の地図。火に油を注いでいないか? アメリカ人さん、わかっています? ダンツィヒの帰属がWW2の欧州での戦いの発端の一つであることを。ARRLは当時に完全に一致させるものではないと言っているが、当事者にとってはそれで済む問題でないことを。例え、戦前の地図を持ってきてアメリカ人が何をのたまおうが、ポーランドの人にとってみれば、そんなことは百も承知。"So What?"だ。前の記事に書いたが、人の神経を逆撫ですることが問題なのだ。

そのうち、外交問題「国連の安保理で協議」(安保理はちょっとオーバーか)とならないように。それならまだいい。後世に「WW3の発端がDiamond DXCC ChallengeにおけるDanzigの帰属問題」と言われないように。ARRLさん。

補足
左藤OMの漢字表記が誤っていました。訂正してお詫びいたします。
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