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MicroVert再訪(2) [アンテナ]

さて、調べたいのは、給電点インピーダンス。最初に作った時も調べたのだが、何でこうなるのか、よくわからなかった。あのときはVNAにPort Extensionを設定せずに調べた。今回、miniVNAのPCアプリ”vna/J”にもPort Extension機能が加わったので、改めて調べることにした。

Port Extensionは以前に記事を書いた。今、読み返すと自分でもわかりにくいのだが、要するにVNAの測定端子(Port)を、測定のために接続したケーブルの先端(つまり、被測定物が接続されている箇所)にまで仮想的に延長する(Extension)というもの。伝送線路においてインピーダンスの不整合が発生していると、線路上から負荷側を見た際の見かけのインピーダンスが実際のインピーダンスと異なってくる。Port Extensionにより、測定箇所を負荷の接続箇所に移動させ、真の負荷インピーダンスを知ることができる。

で、Microvertの給電点ってどこなのだろうか?
(1)カウンタポイズ用同軸ケーブルのコモンモードフィルタの外側(トランシーバー側)か、それとも、(2)ラジエーターのコイルと同軸ケーブルの中心導体の接続点か? ちなみにDL7PEの原典資料では、(1)がFeeding Pointと書かれている。でも、製作記事で「給電点高xメートル」と書かれている方がいうところの「給電点」は(2)だろう。PortExtension機能を活かし、両方、調べることにした。結果は次回。


P.S.
vna/Jのユーザーズガイドの翻訳を行なった身としてご紹介させていただくと、vna/JでのPort Extensionの設定は以下のとおりです。英語版には、すでに使い方が記載されていますが、いずれ、日本語版にも反映させます。

1.下図、赤く囲ったボタンを押してPort Extensionダイアログを開きます。
Port_Extension_1.jpg

2.以下のようなダイアログが現れるので、VNAのDUT端子に接続しているケーブルの長さと速度係数(波長短縮率)を入力します。ケーブルの長さが未知の場合、ケーブル長測定ダイアログで測定します。ケーブル長測定ダイアログ中の同軸ケーブルのリストには、アマチュア無線家がよく使用するD系ケーブルが設定されており、速度係数が記載されています(日本の同軸ケーブルの名称は数字から始まるので、リスト最上部。下記、「注:」ご参照)。
Port_Extension_Dialog.jpg

3.OKボタンを押してダイアログを閉じて、あとは通常の測定と同じです。

4.Port Extension設定中は、上記ボタンの上の「x」印が消え、Port Extensionが機能していることを示しています。また、設定した値は、別の値を設定しなおすか、内容をクリアするまで、同じ値が保持されます。
Port_Extension_2.jpg

注:リストの中の速度係数は、メーカー最大手のフジクラの公表値を用いています。

タグ:Micro Vert
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