SSブログ

経済危機の影響がこんなところにも -その後-

一年前にこんな記事を書いた。一昨年の経済危機のあおりを受けてARRLの財政が悪化し、2008年末時点で債務超過に陥ったというもの。それから一年。先日、ARRLの2009年のアニュアルレポート(ファイルサイズご注意)がリリースされた。とりあえず、バランスシートを見ると、危機脱却による保有資産の評価額の上昇もあって債務超過は解消している。会員としても一安心。

ARRLの会員が増加していることが、レポートの冒頭に書かれているが、会員だけでなく、アメリカではアマチュア無線局が増加しているらしい。QST誌の6月号に記事があったが、数年前にAOLのブログ(?)が「アメリカ社会から消え行くもの」という特集を組み、その中でアマチュア無線を挙げたらしいが、QST誌は「消え行くのはAOLの方」と皮肉っている。

会員が増えれば会費収入も増える。出版収入も増加しており、単年度ベースでも黒字に戻っている。日本はというとJARLは積立金取り崩しでしのいでいるが、先日開催の理事会では改革組の理事から収支改善への取り組みが提起されたようだ。

ARRLの会費収入は年間4.9億円(1$=90円で計算)。JARLは約3.5億円。ARRLの方は終身会員の前納分の当年度取り崩し分が含まれている。ちなみにARRLの会員数は約15.6万人とJARLのほぼ倍。米国内の一般会員の会費は単年契約で39ドル(約3,500円)とJARLの約半分。JARLはというと、これとは別に前納会員・会館建設・衛星の3つの基金から約1.3億円(昨年)ほど取り崩している。積立金は過去の会費収入が原資であり、この取り崩しは事業運営に充てられているわけだから、結局両者の会費収入構造に大きな差があるわけでない。一方、ARRLの出版収入は約3.6億円、広告収入は約2.4億円。比してJARLはそれぞれ、43百万円と12百万円と桁違いだ。ARRLの出版物は世界中で読まれるのだろうが、JARLのはそうでもない。残念だが、言葉の壁は大きい。

なお、QSLビューロ費はJARLの経費の中でも大きなウエイトを占めているのだろうが、アメリカはというとARRLのビューロはアメリカ国内同士のQSLは扱わない。海外との送り・受けとも有料であり、カードのソートはボランティアが行っている。このため、ARRLの負担は大したものでないはず。ビューロの話になったので、続けて書くと、QRZ.comでQSLは各バンド、モードの1stだけにしてくれなんて書いている局もいるが、そのためであろう。そういえば、ある西海岸の局がJA局向けに文章こそ丁寧であるが、「コンテストQSOのたびにQSL送るな!」と書いていたのを見たことがある。もちろん、英文なのでどの程度の効果があるのか不明だが・・・。

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

今年前半振り返りビューロ経由のQSL ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。