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VNAを使う(3) Port Extension [エンジニアリング]

だんだん、使い方を覚えてきた。RFワールドを読んでわかったが、ネットワークアナライザにはPort Extensionという機能があるらしい。購入したVNWA2にもちゃんとある。

アンテナを測定するにあたってケーブルを介した場合、測定端で測定されるインピーダンスはアンテナ給電部のインピーダンスは違うのはよく言われることである(「よく言われる」というか、完全な整合状態でないと違ってくる)。これを逆手にとったのが、λ/2波長の整数倍の長さのケーブルであれば、給電部のインピーダンスと同じ値を測定端で再現できると言われるアレである(スミスチャートを一周するため)。でも、それってバンドごとにケーブルを用意しなければならないですよね。バンドの倍数関係を利用して節約することもできますけど・・・。Port Extensionは、VNAと被測定物を接続するため使ったケーブルの電気長の分を補正してくれるというもの。

Port Extensionの実例。前回の記事と同様、同軸ケーブルの先に100オームの抵抗を接続してインピーダンスを測定。スミスチャート上の軌跡はSWR≒2の円を描く。
20110409smith1.jpg
VNAは周波数を掃引して測定しているが、軌跡は測定周波数における波長と、ケーブルの物理長によって決まるので、ケーブルの長さを変えても同じような軌跡を描く。よってケーブルの長さが違えば、測定されるR、X分が変わってくる。
で、このケーブルの電気長をTDR測定するとほぼ10m。
20110409_TDRsample.jpg所要時間66.4nsとあるが、これは往復なので、片道は半分の33.2ns。この値をVNAの”Port Extension”に設定して測定し直すと・・・。
Port_Extension.jpg
20110409smith2.jpg手品みたいだが、こうなる。ケーブルのロスなどの影響もあり、完全な点でプロットされないが、ほぼ100Ω+j0という抵抗本来の値の近傍で軌跡を描く。アンテナ給電部における真の整合状態を離れて測定できるというのは便利である。



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