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15万アクセスの御礼、および「トラップ」について [エンジニアリング]

先日、アクセス数が15万を越えました。ご覧いただきありがとうございます。例によってEFHWA、グラスファイバーポールなどの記事へのアクセスが多いですが、昨秋から増えたのが、「トラップ」をキーワードにしたアクセス。CQ誌の10月号(でしたっけ)に同軸ケーブルを巻いて作るトラップの記事が出た影響でしょうか?

同軸ケーブルで作るトラップは製作が容易ですが、欠点として上げられるのが、Qが低いこと。Qを高めるためには、線間容量の低いケーブル、すなわちハイインピーダンスのケーブルを用いるのが良いようです(といっても、一般に入手可能なのは50オームか75オーム系なので、選択肢が限られますが・・・)。ただし、Cが低くなる分、Lが大きくなってしまう。すなわち短縮効果が強く出てしまいトラップの先のエレメントが短くなってしまいます(これは私も経験済み。なお、長い方をとって効率を求めるか、短い方をとってコンパクト性を求めるかは、その人次第なので、どっちがいいというわけではない。念のため)。あと、L/C比が決まってしまうので、自由に設計したい向きには適しません。

「製作は容易」と書きました。確かにそうですが、もちろんカットアンドトライでの調整が必要で、むしろこちらが結構大変なように感じており、個人的にはディスクリートのLCトラップの方が完成までの苦労が少ないように思っています。普通にコイルを巻いて、同軸ケーブルの線間容量をコンデンサとして用います。同軸ケーブルの線間容量は、50オーム系は100pf/m、75オーム系は50pf/m前後なので、必要な長さは簡単に求められます。
コイルのインダクタンスをどう狙った値に持っていくかが鬼門のように感じられますが、寸法を測定してきちんと作れば、HF帯であれば電磁気学の教科書に出ている式で求まる値からそんなにずれないように思います。ただし、中空でなく、ボビンを用いた場合はアマチュアバンドでいえば経験上、14M帯までで、その上は多少値が小さくなるようです。同軸ケーブルを最初は長めにしておき、すこしづつ切りながら目的の共振周波数に追い込みます。同軸ケーブルはホームセンターで売られているTV受信用の3C-2VなどでもOKです。何社かの製品スペックを確認しましたが、耐圧は1KV(AC1分間印加)なので、50W~100W局であれば、問題ないと思います。ただ、無名メーカのものには外被の網線の充填度が低いものもあるように思います。これは同軸ケーブルトラップを作る場合でも留意した方がよいと思います。

21M_trap.jpg
昨年作った21M帯トラップ。ボビンは「機関車トーマスラムネ」の容器。この歳になって玩具菓子の売り場を探しまくる自分が恥ずかしいが、材質はポリプロピレンで高周波特性は良い。なにより軽い。コイルは古河電工のポリエチレン架橋線「ビーメックス」2sqを16回巻き。同軸コンデンサは2.5D-QEVを約13cm。これで14M/21M用の釣竿トラップダイポールを作る予定。下は特性図
20120109_21M_Trap.jpg


28M_trap.jpg
同様に28M帯トラップ。アンテナエレメントに取り付け済み。外側(写真右側)に18M帯用エレメントを付けてある。18M/28M帯用釣竿トラップダイポールとして動作確認済み。トラップの左側、上に伸びるのは28M帯用エレメントの調整ヒゲ。上述の14M/21M用とペアにしてハイバンド用のパラレルダイポールにするつもり。本当は「ヒゲ」の形でトラップの外側に24M帯用エレメントを別に垂らすつもりだったのが、うまくいっていない。理由は2つほど頭に浮かんでいるが、今後要確認。このことはトラップアンテナの設計というものを深く考えさせられるきっかけとなった。


タグ:トラップ
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