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アンテナのトラップコイル巻き直し [アンテナ]

今シーズンに向けたアンテナ整備も終盤。昨年自作した10/14M帯用の2バンドバーチカルのトラップコイルに用いている同軸ケーブル(3C-FVR)を3.5D-QEFVで巻きなおした。

目的は2つ
1.この3C-FVRはもともとジャンク箱に入っていた年季もの。劣化している可能性が高い。新品に置換する。
2.50オーム系のケーブルで巻きなおす。

73オーム系のケーブルの芯線と外皮との間の静電容量はだいたい50~56PF/m。これに対して50オーム系のケーブルの場合、約100PF/mである。同軸ケーブルを用いるトラップコイルはこの静電容量をLC並列共振回路のCに用いている。50オーム系のケーブルを用いることにより、ケーブル単位長あたりのCを大きくすることができ、その分、コイルの巻き数を小さくすることができる(はず)。

計算過程は省くが、単位長あたりの静電容量を2倍にすることにより、コイルの巻き数は約20%少なくできるようだ。VE6YPのトラップコイル設計ツールでも同様の結果がでてきた。

車の中に積んである10/14M帯用アンテナを家の中に持ち帰ってトラップコイルを確認すると直径32mmの塩ビパイプVP25に3C-FVRが約10ターン巻いてある。VE6YPのツールでは約8回と出る。あれっ?やっぱり劣化していて、そのため多めに巻かざるを得なかったのだろうか? では新品の3.5D-QEFVでは8回の20%減で6.4回でいいのだろうか? ここで妙にケチるとあとでエライ目に会う可能性があるのは、先日のアンテナワイヤ交換でも経験済。ここは10x0.8+余裕ということで9ターンから製作をスタート。

仮組みしてSWRアナライザで共振点を探ると、見事13.4Mhz付近で共振する。よかった・・・。余裕をみておいて。でもなぜVE6YPのツールの値と離れた値になるのだろうか? ケーブル間の線間容量だろうか? よくわからない。いずれ考えるとして、ここから先、これまでだとケーブルを1cmぐらいずつ切り詰めて、追い込んでいったのだが、今回はケーブルを切り詰めるのはやめ、コイルの長さを長くしていき、疎巻きにすることで共振周波数を上げていくことにした。

し、しかし・・・。さ、さすが・・・。トップメーカのフジクラの低損失ケーブルである。低損失だけに共振が鋭い。SWRアナライザの針が見事にディップするがその周波数幅が狭い。SWR<3以下になるのが150Khz幅ぐらいである。前のトラップは250Khz幅ぐらいで、しかも完全にSWR=1にまで落ち切らない。CW用に設定するとフォーンでは、うまく動作しないかもしれない。いろいろ考えたが、疎巻きにしたコイルの端のケーブルを手でコイルの内側や外側に微妙にずらすことによって共振周波数を変えることにした。200khzぐらいは動かせるので、アンテナ架設のつど、調整することにした。
coil.jpg
(左が3C-FVRで、右が3.5D-QEFVで巻いた14Mhz用トラップ。50オーム系ケーブルで巻いた右のトラップの方が巻き数が少なく、しかも疎巻きになっている。)

さて、最大の目的であるが、コイルの巻き数が減ったことによりトラップでの短縮効果が小さくなり、10M帯用の上部エレメントが73cmから99cmに長くなった。年季もののケーブルを使っていたのでトラップでのロスもそれなりにあったのかもしれない。このアンテナの10M帯での効率はいくばくか高くなったはずである。

なお、14M帯での帯域幅だが、アンテナとしては十分帯域が取れており問題なかった。低損失のケーブルを用いることのメリットも感じたので、他のアンテナも巻き直そうと考えている。ハイバンドのコンディションがまだまだのようなので、今年もDXの中心は7-14M帯であろう。今年もこのアンテナが活躍してくれることを祈っている。以前のトラップが余るので、コンテスト時用の7/14Mhz用のバーチカルを作る予定。


タグ:トラップ
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